【弁護士に聞いた】滞納した家賃は分割で支払える可能性あり!方法や気になる点を全て解説
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ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、多数のメディア編集業務に従事。その後、ファイナンシャルプランナー2級の資格を取得。FPとしての専門知識を活かし、カードローン、FX、不動産、保険など様々な情報におけるメディアの編集・監修業務を行ない、これまで計2000本以上の担当実績を誇る。ローン審査経験者などのインタビューなども多数行ない、専門知識と事実に基づいた信頼性の高い情報発信を心がけている。
家賃を滞納しており、一括では支払えない人が気になることは、滞納中の家賃は分割にできないのか?ということ。
結論から言うと、滞納中の家賃は分割払いになる可能性があります。
そうなると、次に気になることが、どうすれば分割できるのか?どれくらい分割できるのか?などなど…。
そこで今回は、賃貸契約に詳しい弁護士にヒアリング調査を実施。その結果をもとに、滞納中の家賃の分割について詳しく解説します。
なぜ滞納中の家賃は分割払いになる可能があるのか?
ズバリ、家主や管理会社としては分割払いを認めるほうがお金や手間がかからないからです。
というのも、滞納中の家賃を法的手続きによって回収しようとした場合、督促や訴訟を起こす必要があるのですが、そういった手続きには非常にお金や手間がかかってしまうのです。
例えば、家賃8万円程度のワンルームマンションの入居者から訴訟によって滞納中の家賃を回収しようとした場合、概ね以下のような費用がかかってきます。
項目 | 金額 |
---|---|
弁護士費用 | ¥300,000 |
強制執行費用 | ¥300,000 |
明け渡し訴訟請求 | ¥80,000 |
合計 | ¥680,000 |
ご覧の通り、法的手続きによって回収するにはかなりのお金がかかるため、分割でも支払ってくれる方が貸主としてもメリットが大きいわけですね。
だから、家主や管理会社は滞納中の家賃の分割払いに応じた方がお金も手間もかからないため、分割払いになる可能性があると言えるのです。
滞納中の家賃を分割するには大家や管理会社との交渉が必要
まずは、なぜ家主や管理会社との交渉が必要になるのか?ですが…。理由は単純で、家主や管理会社は基本的に滞納した家賃の分割払いを認めていないからです。
そもそも毎月支払うべき家賃を滞納しているわけなので、家主や管理会社としては一括で支払ってほしいはずですよね?だから、家主や管理会社に分割払いを認めてもらうために、交渉が必要になるというわけです。
そこで気になるのは、交渉ではどのようなことを話せば良いのか?ということですが…。
ズバリ、一括で支払えない理由と、支払う意思があると伝えることが大切です。
なぜなら、家主や管理会社からすれば、理由もなく滞納して今後も支払うつもりがない人には退去してもらった方が良いと考えるからです。
だから、今の部屋に住み続けたまま分割払いをするために、一括で払えない経済的な事情と支払う意思を伝えることが重要なのです。
また、交渉する際に毎月の支払金額や全額払い終えるまでの期間などを記載した支払計画を用意しておくと、家主や管理会社に理解されやすく交渉を円滑に進められる可能性がるでしょう。
弁護士に依頼して代理で交渉してもらえないのか?
結論から言うと、弁護士は交渉は行ってくれますが、必ず分割払いにしてくれるとは限りません。
その理由を弁護士の方に聞いたところ、「家主や管理会社に分割払いを認めさせる法律がないから」とのこと。
だから、分割払いを法的に認めさせることができない以上、弁護士が交渉しても分割払いにできるとは限らないのですね。
また、依頼するには弁護士費用が発生するため、金銭的な負担がさらにかかってしまいます。そのため、費用を抑えるためにも、自分で交渉する方が望ましいと言えます。
滞納中の家賃はどれくらい分割できる?
ズバリ、家主や管理会社との交渉次第になってしまいます。
と言うのも、どれくらい分割できるかは滞納金額や借主の経済的な事情を考慮して決めることになるからです。
そこで気になるのは、実際に家賃を滞納した人はどれくらい分割できたのか?ですが…
実際に滞納した家賃を分割払いした経験がある人を対象にアンケートを実施しました。その中で多かった回答は以下の通り。
滞納金額 | 分割回数 |
---|---|
10万円未満 | 2回~3回 |
10万円~30万円未満 | 4回~6回 |
30万円~50万円未満 | 7回~9回 |
ご覧の通り、滞納金額によって分割回数は異なるようです。
ただし、中には10万円程の家賃を10回に分割したという人も見られたため、借主の経済的な事情も考慮してもらえると言えます。
どれくらい分割できるかは滞納金額以外にも借主の経済的な事情によるため、表の結果はあくまでも目安にして、無理なく支払える分割回数となるように交渉しましょう。