審査が甘いカードローンはどこ?消費者金融大手の利用者数と成約率を調査
ファイナンシャルプランナー
生命保険会社に25年勤務後に、西岡社会保険労務士事務所を開設。併せてFP業務を行う。また、社会保険労務士会の委託で日本年金機構・年金事務所の年金相談員として週2回程度勤務。得意分野は金融全般と労働・社会保険。
この記事の目次
結論:審査が甘いカードローンは存在しない
カードローンについて少し知っている人であれば、借り入れ前には必ず金融機関や保証会社による「審査」が行われるという事はご存知かと思います。過去に審査に通過できなかった経験ある人は「審査が甘い消費者金融はあるの?」と考えを巡らせてしまうこともあるでしょう。
結論として、「審査が甘い金融機関・カードローン」は存在しません。
各金融機関では、そもそも審査の基準は公開されていません。仮に「〇社は審査が甘かった」という口コミをネット上で見つけたとしても、その人が簡単に審査通過できただけのことです。同じように審査に通過できる保証はありません。
審査に通るかは申し込み者の属性情報や信用情報で変わる
審査に通過できるかどうかは、金融機関側の都合で決まるわけではありません。
申し込みをした人の状況や、希望する借入額を加味し「返済能力があるか否か」で判断されます。
消費者金融が申込者の返済能力を判断するための焦点になるのは、属性情報、生活状況、信用情報の3つです。
属性情報とは|年収や勤続年数で「返済能力」を見る
銀行や消費者金融が審査で注目するのは、最後まで返済する能力があるかどうか、です。審査では年収や勤続年数から申込者の返送能力を判断しています。
年収が高く安定している人ほど、審査においては有利になると言われています。逆に年収が低い人や安定していない人は、審査においては不利になります。
つまり、フリーランスやアルバイトよりも、契約社員や正社員の方が有利になりやすいということです。
生活状況とは|家族構成やローンの有無で「返済余力」を見る
安定した返済能力と同じく重要なのは、借りたお金を返済する余力があるか、ということです。いくら高年収でも同じくらい借金が残っている場合は返済能力がないと判断されます。
同じ年収の人でも、家族持ちより独身の方が自由に使える金額は多いでしょう。家族構成によっては自由に使えるお金がない=返済する余裕がないのでは?と判断される可能性があります。
すでにローンを組んでいる場合も、お金に余裕がないと判断されることがあります。
信用情報とは|借入残高や過去の返済履歴で「個人の信用」を見る
審査の際に重要視されるのは、「個人の信用があるか」です。
過去にクレジットカードやスマホ料金を3ヶ月以上延滞する等の「金融事故」を起こしてしまうと、カードローンに審査に通過できなくなります。
申し込み時に虚偽の申告をしたことが発覚しても同様です。
カードローンの審査に関する実態
ネット上でカードローン利用者の口コミを見てみると「A社の審査は甘い」と言わんばかりの書き込みが見つかる場合があります。
ネット情報を鵜呑みにしてしまうと良くない勘違いを起こしてしまう可能性があり、注意が必要です。
ここでは、カードローン審査でありがちな勘違いについて紹介します。
消費者金融が銀行より審査が甘い根拠はない
よくある噂として「消費者金融のカードローンは銀行のカードローンより審査が甘い」という俗説がありますが、これは誤りです。
消費者金融では年収や勤務先の情報、信用情報をキチンと精査した上で審査の合否を決定します。金融消費者金融が銀行よりも審査が甘いという事実はありません。
スピード融資できているのは審査が甘いからではない
「アコム」や、「アイフル」などの大手消費者金融では最短30分のスピード審査を強みにしていますが、これは審査が簡単だから早く終わるのではありません。
消費者金融がスピード審査のために導入しているのが申し込み情報を点数化するスコアリングシステムです。申込者が入力した内容点数化されて自動的に合否が判断されるため、最短で30分という圧倒的な審査スピードを実現しています。
年収は属性情報の1つであり、絶対に必要な条件ではない
消費者金融の審査に申し込むにあたり、年収の高さは大切な要素の1つです。しかし、高年収でなければ審査に通過できない訳ではありません。
年収は数ある審査項目の1つにすぎないため、他の情報でカバーできれば審査に通過する可能性は十分にあります。
審査に通りやすい消費者金融・金融機関の見つけ方
少しでも審査に通過する可能性を上げたいのなら、どれだけの申込者が消費者金融と成約することができたかを調べておきましょう。各消費者金融が株主向けに公開している情報がヒントになります。
各会社の「契約率」を公式ホームページで確認する

各消費者金融は株主向けのIR情報で「成約率」または「新規貸付率」という情報を公開しています。名称は違いますが、新規申込者の何人と契約したのかを表している点で同じです。
成約率・新規貸付率が高い消費者金融を選ぶことで、審査に通過できる可能性が上がると考えることもできます。
大手消費者金融の新規貸付率の推移(アイフル)
下記はアイフルのIR情報から抜粋した、月次の新規成約率データです。成約率は、「新規獲得件数/申込件数」によって算出されています。
年度 | アイフル |
---|---|
2020年8月 | 41.1% |
2020年2月 | 45.8% |
2019年8月 | 42.7% |
2019年2月 | 45.0% |
2018年8月 | 46.0% |
基本的に40%台を推移している状況で、この数値は大手の消費者金融と比較して「ほぼ変わらない数値」となっています。
成約率が高いから審査が甘いという判断は必ずしもできないかと思われますが、参考資料の1つとしては充分に考えられるのではないでしょうか。
実際に、年間で数十万人以上の人がアイフルのカードローン契約をしています。

大手消費者金融の新規貸付率の推移(アコム)
下記は消費者金融大手であるアコムの成約率の推移を比較した表になります。こちらのデータはアコムのIR情報情報を参照しており、アコムは、「新客数/新規申込数」によって算出されています。
年度 | アコム |
---|---|
2020年3月 | 43.6% |
2019年9月 | 44.6% |
2019年3月 | 44.0% |
2018年9月 | 43.8% |
2018年3月 | 44.0% |
2017年9月 | 46.0% |
最新の2020年3月の比較では、上記の通り43.6%となっています。前述の通り、アイフルやプロミスといった大手の消費者金融の成約率も大きな差はありません。
ただし、今後の成約率が変動する可能性もありますので、申し込みをする時点での最新の投資家向けIR情報を確認すると良いでしょう。

会員数が多い消費者金融・金融機関を選ぶ
もう1つの見るべきポイントは、消費者金融の会員数の多さです。プロミス、アコムの会員数を比較してみましょう。
大手消費者金融3社の会員数の推移
プロミス | アコム | アイフル | |
---|---|---|---|
2018年12月 | 約1,322,000人 | 約1,517,000人 | 約843,000人 |
2019年12月 | 約1,454,000人 | 約1,577,000人 | 約910,000人 |
増減数・増減率 | +132,000人(+9.9%) | +60,000人(+3.9%) | +67,000人(+7.9%) |
会員数が伸びているということは、それだけ審査に通過した人が多いことを意味しています。そのためか基本的には、成約率の高さと会員数の伸びがリンクしている結果になりました。
2019年と2018年の比較で言えば、会員数・増加割合ともにプロミスがもっとも伸びています。アイフルとアコムの会員人数の伸びは同じくらいですが、増加率ではアイフルがアコムの2倍以上高い数値を出しています。
成約率・会員数の伸び率という2つのデータを検証した結果でみると、現状ではプロミスかアイフルに申し込むのが無難と言えるでしょう。

審査落ちになりやすい人の特徴

公式ホームページで開示されている情報から、どの消費者金融に申し込むべきかヒントが見つかったでしょうか。
ただし、いずれの消費者金融も成約率は50%を下回っており、決して「甘い」とは言えないことがお分かり頂けると思います。
どの消費者金融に申し込むにしても、審査に通過できる状態で申し込みできるように気を付けなければいけません。
そこで、ここでは審査落ちになりやすい人の特徴を紹介します。自身に当てはまりそうな項目を改善していくことで、審査に通過する可能性が高くなります。
審査落ちになりやすい人の特徴
- 1. 信用情報に傷がある
- 2. 他社での借り入れ件数や額が多い
- 3. 虚偽の内容で申し込みをしている
- 4. 収入が安定していない
- 5. 在籍確認ができない
もし審査に落ちてしまうと、一般的に再申込は通りにくくなってしまいますので、できるだけ準備をして審査に臨みましょう。
特徴1 │ 信用情報に傷がある
消費者金融にとって審査の合否を決定するポイントは「完済できるかどうか」です。現在の返済能力はもとより、以前に金融事故を起こしていないか等の過去の実績を重要視しています。
金融事故とは、返済遅れや返済不能に関する情報のことです。代表的な例として、カードローンやスマホの分割支払いを3ヶ月以上遅らせると長期延滞という種類の金融事故としてカウントされます。
俗にいう「ブラックリストに載る」「信用ブラック」等と呼ばれる状態は、金融機関の個人信用情報に登録された状態のことです。
金融事故は一度発生させると5~10年は記録として残ります。その間はカードローンの審査通過が大変厳しくなるため、3ヶ月以上の返済遅れは絶対に発生させないようにしましょう。
特徴2 │ 他社での借り入れ件数や額が多い
いくつもの消費者金融からお金を借りていることは、すでにお金に困っている状態であると判断されます。複数の消費者金融からお金を借りて返済が困難になっている人は多重債務者と呼ばれ、新しくカードローンの審査に申し込んでも通過する可能性は大変低くなります。
新しくローンを組むのであれば、今あるローンを完済して返済能力を証明できるようになってからにしてください。
特徴3 │ 虚偽の内容で申し込みをしている
カードローンの審査においては、個人の信用情報が重要視されます。過去の返済実績はもちろんのこと、申し込み時の態度等の見えない部分でも判断されています。
仮に年収を水増しして申告したり、過去の金融事故を隠して申し込んだりした場合は、審査に通過できなくなります。
信用情報は消費者金融側で簡単に調べられるため、虚偽の申告がまかり通ることはありません。審査に不利になるかもしれない情報だとしても、隠さず正直に申し込むことが大切です。
特徴4 │ 収入が安定していない
消費者金融がカードローンの申し込み条件に指定している「安定した収入」とは、毎月決まった収入があり、収入の変動が少ないことを指しています。
フリーランスや個人事業主より正社員の評価が高くなりやすいのは、このためです。
月給の中身が歩合給中心の人は、たとえ正社員であっても収入が安定していないと判断される可能性があります。一時的な収入で高年収になった人も同様です。
特徴5 │ 在籍確認ができない
ほとんどの消費者金融では、カードローンの審査の際に申し込みフォームに記載した会社に連絡して所属を確かめる「在籍確認」を行います。在籍確認が完了しない以上、審査に通過することはありません。
申込時に入力する会社の電話番号は、確実に誰かが受話器を取ってくれる番号にしてください。なお、自分が電話に出れない状態でも「〇〇は席を外しております」と答えてもらえば在籍確認は完了します。
安全かつ利用者の多い金融機関を選ぶのが正解
お金が必要だからといって、絶対にしてはいけないのは安全でない消費者金融に申し込むことです。ブラックでも融資できると謳っている金融機関は、違法な闇金融である可能性が高いです。
なぜなら、「審査が甘い」「ブラックでも借りられる」といった表現は貸金業法上の誇大広告に当たり、禁止されているためです。
大手消費者金融が使ってはいけない表現を平気で禁止ワードを使う会社は、正規の貸金業者ではありません。そのような会社からは絶対に借りないようにしてください。
申し込む消費者金融選びで迷ってしまった時は、利用者が多い大手消費者金融を選ぶことをおすすめします。利用者が多いのは、審査に通過した人が多いことの裏付けになるからです。
おすすめの消費者金融1「アイフル」
ここまでの観点で総合的に判断して選ぶなら、「アイフル」がおすすめです。
初めてアイフルを利用する人は、最大30日間は利息ゼロになるので、これを活用しない手はありません。融資までの速さにおいても、アイフルは業界をけん引する存在です。審査は最短30分、最短即日融資が可能なので、「今日中にお金が必要」という人には適しています。

おすすめの消費者金融2「プロミス」
同じく大手消費者金融の「プロミス」もおすすめです。
成約率でもアイフルに次ぐ高さをキープしているほか、2018年→2019年会員数の増加率においてはトップに位置しています。
プロミスの特徴は「初回のご利用日の翌日から30日間無利息」のサービスがあることです。アイフルやアコムの初回30日間無利息サービスは「契約の翌日から30日」のため、無利息サービスにおいてはプロミスがもっとも有利な条件で利用できます。
200以上の金融機関に24時間365日いつでも振込依頼ができる「瞬フリ」など、独自サービスが多く用意されているのも利便性の面でおすすめです。

おすすめの消費者金融3「アコム」
シンプルに大手3社の中で利用者数も店舗数ももっとも多いので、それだけ多くの人に選ばれている事がわかります。テレビCMで見かける頻度も、おそらく大手カードローンの中ではトップクラスなのではないでしょうか。
「はじめてのアコム」というフレーズは誰もが知っている事と思いますが、その名の通り初めてカードローンを利用する人から絶大な支持を得ています。

まとめ
今回は、どうしてもお金を借りたい人が理解しておくべき審査についての考え方と、おすすめの消費者金融を2社紹介しました。
審査が甘い消費者金融・金融機関は存在しないことを念頭に、「契約率」に注目して申し込む消費者金融を決めるようにしてください。
今回の記事のまとめ
- 審査が甘い金融機関・消費者金融は存在しない
- 消費者金融が銀行よりも審査が甘い事実はない
- 年収が低いから審査に通過できないわけではない
- 審査に通りやすいかは各社「契約率」を調べれば見えてくる
- 迷った時は利用者が多い大手消費者金融がおすすめ
基本的に、どこに申込をするか悩んだら、大手のカードローンを選ぶべきと言えます。、「アイフル」や「プロミス」は、誰もが知っているカードローンの大手なので、安心して利用できるはずです。
WEBから24時間いつでも申込が可能なので、まずは申込~相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

審査基準が気になる人は収支の見直しが必要
貸金業法の総量規制によって、カードローンの融資額は他社も通算して年収の1/3に限定されています。金融事故がなく、安定した年収が証明され、融資額が規制の範囲内ならば、基本的に審査は大丈夫です。上記3点に不安がある人は、融資を受けても返済不能になるリスクを抱えている可能性があります。頑張って審査を通すことを考えるよりも、収支の改善を優先することをおすすめします。
お金の動きを把握してから対策を
消費者金融を検討する前に、まずは月単位の支出だけで構いませんので、改めて自分で確認をしてみましょう。ムダな出費がある場合、どれだけお金を工面できたとしても、やがて足りなくなってしまいます。どうしても自分だけで計算するのが難しい場合は、第三者であるファイナンシャルプランナーなどにチェックしてもらい、自分の収支を客観的に把握することも検討しましょう。一時的支出が発生したとしても、正しい対策を立てることのできるその判断が、後の自分自身を救ってくれるかもしれません。
ファイナンシャルプランナー|西岡 秀泰
信用情報と返済能力の観点で融資可否を判断する
無担保・連帯保証人なしのカードローンでは、融資先が返済不能になっても担保を差し押さえたり連帯保証人に返済を求めることはできません。つまり、融資先に確実に返済してもらわなければ、商売が成り立たないのです。また、対面手続きで人柄をみたり時間をかけて審査できないことも多いので、カードローン会社が返済の確実性を担保するためには、客観的な信用情報と返済能力によって融資をするかどうか判断せざるを得ないのです。