審査が甘いカードローンはどこ?消費者金融大手の利用者数と成約率を調査
>提携企業一覧
ファイナンシャルプランナー
生命保険会社に25年勤務後に、西岡社会保険労務士事務所を開設。併せてFP業務を行う。また、社会保険労務士会の委託で日本年金機構・年金事務所の年金相談員として週2回程度勤務。得意分野は金融全般と労働・社会保険。
この記事の目次
カードローンに申込をする際、「誰でも借入できる」「審査が甘い」借入先がないか考えたことはありませんか。残念ながら、そういった言葉を使う金融機関は違法業者である可能性が高いため、絶対に利用してはいけません。
この記事では、誰でも借入できる金融機関が存在しない理由を解説したうえで、審査で見られている項目を説明します。
また、借入できるか不安な方や、審査に落ちてしまった方に向けて申込するべき金融機関も紹介します。カードローンの審査が不安な方はぜひ参考にしてください。
審査が甘いという表現は貸金業法で禁止されている
前提として、審査が甘い・誰でも借入できるカードローンは存在しません。なぜなら、カードローンを扱う金融機関は、貸金業法の第15条・16条で「利用者に誤解を与える表現をしてはならない」と定められているからです。具体的には、「審査が甘い」「誰でも借入できる」といった表現を禁止しています。
また、金融機関は貸金業法の第13条で、カードローンの申込者に対して審査の実施を義務付けられています。つまり、金融機関は、以下のルールを守ることで初めてお金を融資できるのです。
金融機関が守っているルール
- 審査を必ず実施する
- 審査が甘い・誰でも借入できるという表現をしない
もしも、上記のルールを守らず融資をしている金融機関が存在した場合は、違法業者であるため、絶対に利用してはいけません。
そもそもカードローンの審査で見られている内容とは
カードローンの審査では、申込者に返済能力が不足していないかどうかを確認しています。返済能力とは、「返済に充てる力」のことを指し、以下の要素から複合的に判断されます。
返済能力を判断する2つの項目
- 属性情報
- 信用情報
金融機関は、正確な審査内容を公表していません。しかし、上記項目はどの金融機関であっても必ず確認しているので、内容を把握しておきましょう。
属性情報
カードローンの審査では、属性情報と呼ばれる申込者の様々なデータを確認します。これらは、申込の際に記入を求められます。
属性情報の例
- 年齢
- 職業
- 雇用形態
- 勤務先
- 勤続年数
- 年収
- 収入形態
- 居住年数
- 居住形態
属性情報のポイントは、すべての項目の評価を平均的に高くすることです。例えば、年収が高くても雇用形態がアルバイトである場合は、総合的な評価が下がる可能性があります。
逆に、収入が少なくても、長期間同じ会社に勤めていたり、正社員であったりした場合は、評価が上がる可能性があるでしょう。
信用情報
審査では、属性情報の他に、「信用情報」を確認します。信用情報とは、申込者が今まで使ってきたクレジットカードやローンの利用経歴です。
利用実績の具体例
- 過去に滞納したことがあるか
- 過去半年以内に申込したクレジットカードやローンがどれくらいあるか
- 他社からどれくらいのお金を借りているか
過去に、支払いのトラブルを起こしていない場合は問題ありません。ですが、支払いの遅延を起こした場合は、審査で低い評価を受けてしまうため注意してください。
審査が不安な人は成約率を発表している消費者金融に申込する
審査に通過するか不安な方は、成約率を公表している大手消費者金融に申込してみてください。
成約率とは、実際に申込から借入した人の比率のことです。従って、成約率の高いカードローンなら、契約した人が多いと考えられます。
とはいえ、審査が甘く、誰でも借入できるカードローンは存在しません。各金融機関が設定する審査基準に満たない場合は、1カードローンの契約は結べないでしょう。
アコム
アコムは、2022年3月時点で利用者が150万人を超えている消費者金融です。大手消費者の中でもトップクラスの利用者がいると考えられます。
下記は、消費者金融大手であるアコムの成約率を比較した表です。こちらのデータは、アコムのIR情報を参照しています。
年度 | アコム |
---|---|
2022年8月 | 38.8% |
2022年2月 | 42.2% |
2021年8月 | 42.6% |
2021年2月 | 40.4% |
2020年8月 | 38.8% |
最新の2022年8月時点の成約率は「38.8%」となっていますが、それ以前は、40%を超えているケースもあるので、多くの申込者が実際に借入できたといえるでしょう。
とはいえ、今後の成約率が変動する可能性もありますので、申込する際に最新のIR情報を確認してみてください。
アイフル
アイフルはWEB申込をすれば、最短25分で融資を受けられるカードローンです。そのため、急ぎでお金が必要な方に向いている消費者金融といえるでしょう。
年度 | アイフル |
---|---|
2022年8月 | 33.0% |
2022年2月 | 32.5% |
2021年8月 | 33.9% |
2021年2月 | 40.7% |
2020年8月 | 41.1% |
上記の表は、アイフルのIR情報から抜粋した月次の新規成約率データです。見ての通り、成約率は、2021年の8月から平均32%前後となっていますが、過去には40%を超えるケースもあったため、比較的多くの申込者が借入できたと考えられます。
カードローンの審査に落ちてしまった理由と対処法
すでに、カードローンの審査に落ちてしまった場合は、理由と対処法を知っておきましょう。審査に落ちてしまった理由を把握して対処すれば、別のカードローンの審査に通過できる可能性があります。
審査に落ちる5つの理由
- 理由1.虚偽の内容で申込をしている
- 理由2.職場への在籍確認ができない
- 理由3.他社での借入件数や額が多い
- 理由4.収入が安定していない
- 理由5.信用情報に傷がある
また、大手消費者金融の審査に落ちてしまった人に向けて別の選択肢も紹介するので参考にしてください。
理由1.虚偽の内容で申込をしている
カードローンの審査は、提出して情報が正しいかどうかを重視します。そのため、虚偽の情報で申込をすると審査に落ちてしまう可能性があります。
例えば、年収を水増しして申告したり、過去の金融事故を隠して申し込んだりしても、「属性情報」や「信用情報」で金融機関に嘘がバレてしまうため、審査に通過できません。申込の際は、嘘をつかず正確な情報を入力しましょう。
対処法|正しい情報で申込をする
カードローンに申込する際は、入力した情報が正しいかどうかを確かめましょう。
嘘の情報を記入したつもりがなくても、職場の電話番号が誤っていたり、年収の記入を適当にしていたりすると、審査に落ちてしまう可能性があります。
申込する前に、自分の勤務先、年収、住所を正確に把握しておきましょう。
理由2.職場への在籍確認ができない
審査の終盤では、「在籍確認」と呼ばれる手続きが必ずおこなわれます。在籍確認は、申込者が本当に働いているかどうかを確かめる手続きのため、絶対に回避できません。
在籍確認は、申込者の職場に電話連絡をおこなう方法が一般的です。そのため、職場への電話連絡がうまくできなかった場合は、「申込者が働いているか分からない」と金融機関に判断されてしまう可能性があるでしょう。
対処法|原則職場への電話連絡をしない金融機関に申込する
金融機関の中には、原則として電話による連絡をしないと公言しているカードローンがあります。
そういった金融機関を利用すれば、電話の取次ぎをしない会社や土日が休日の職場であってもスムーズに審査を完了できる可能性があります。
原則電話連絡をおこなわないカードローン
- プロミス
- アコム
- アイフル
ただし、上記のカードローンであっても、金融機関が必要と判断した場合は、職場への電話連絡がおこなわれるため注意してください。
理由3.他社での借入件数や額が多い
いくつもの金融機関からお金を借りている場合、すでにお金に困っている状態であると判断されやすくなります。
複数の消費者金融からお金を借りて返済が困難になっている人は「多重債務者」と呼ばれ、新しいカードローンに申込しても、審査を通過する可能性が低くなってしまいます。
対処法.1|最低限の借入希望額で申込する
すでに他社借入のある人は、申込の際に入力する「借入希望額」を必要最低限に設定しましょう。金融機関は、法律により年収の3分の1を超える融資を禁止されています。
すでに他社から借入している人は、新しいカードローンの希望額を最低限にすることで借入できる可能性があがります。
ただし、すでに年収の3分の1に近い金額を借りている方は、借入希望額を少なくしても、審査に落ちてしまう可能性が高いため注意してください。
対処法.2|返済に特化したローンを利用する
年収の3分の1に近い金額を借りている方や、今ある借入の完済に専念したいという方は、返済に特化した「おまとめローン」に申込しましょう。
おまとめローンとは、複数の借入をひとつの窓口にまとめて返済をしていくローンです。他のローンと同様に審査に通過する必要はありますが、窓口をひとつに集約できるので、管理が簡単というメリットがあります。
例えば、アイフルでは、「おまとめMAX」「借り換えMAX」と呼ばれる2つの返済専用ローンがあるため、借入先がひとつでも利用可能です。
さらに、アイフルのおまとめローンは即日融資可能という特徴もあるため、急ぎでおまとめローンを利用したい場合はアイフルに申込をしてみてください。
>>アイフルのおまとめMAXと借り換えMAXへのお申込はこちら
理由4.収入が安定していない
月々決まった給料がない人や、働き始めて間もない人は、収入が安定していないと金融機関に判断されてしまう可能性があります。
安定した収入とは、「勤続年数」「年収」「雇用形態」などから複合的に判断されるため、どれかひとつが高評価であっても安心はできません。
例えば、高収入であっても、働き始めて1ヶ月しか経過していない場合は、収入が安定していないと判断されてしまうでしょう。
対処法|最低6ヶ月安定した収入を貰う
カードローンを利用するには、最低6ヶ月ほど給料を貰ってから申込しましょう。半年間同じ仕事を続ければ、安定した収入があると認められやすくなります。
とはいえ、6ヶ月以上働いていた方が、より安定した収入があると認められやすくなりますので、急ぎでお金を借りる必要のない方の場合は、半年以上働いてから申込すると良いでしょう。
理由5.信用情報に傷がある
信用情報に傷が付いた状態のまま申込をすると、審査に通過できません。信用情報に傷が付いた状態とは、以下のような場合を指します。
信用情報に傷が付いた状態とは
- 何度も滞納をした
- 長期滞納をした
- 債務整理をした
- 1ヶ月~2ヶ月の間に何社にも申込をした
信用情報に傷が付くようなトラブルを起こした場合、一定の保存期間を待たなければ状況は改善しません。
起こした出来事 | 保存期間 |
---|---|
短期間に何社も申込した | 6ヶ月 |
何度も滞納した | 5年 |
長期滞納をした | 5年 |
債務整理をした | 5~10年 |
上記の通り、信用情報が保存される期間は異なります。短期間に申込しすぎた場合を除き、信用情報は5~10年記録されることは覚えておきましょう。
対処法|自分の信用情報を開示する
過去に金融トラブルを起こした方は、信用情報機関に問い合わせて、自分の信用情報を開示してもらいましょう。
信用情報機関とは、信用情報が保管されている機関を指します。信用機関によって保存されている情報が異なるため確認しておきましょう。
信用情報機関 | 保存期間 | 保存されている情報 |
---|---|---|
CIC | 6ヶ月~5年 | クレジットカードの利用履歴 |
JICC | 6ヶ月~5年 | 消費者金融の利用履歴 |
JBA | 6ヶ月~10年 | 銀行の利用履歴 |
CICの公式サイトはこちら
JICCの公式サイトはこちら
JBAの公式サイトはこちら
中小消費者金融に申込するのもひとつの手段
大手消費者金融の審査に落ちてしまった人でも、中小消費者金融であれば、利用できる可能性があるでしょう。なぜなら、大手消費者金融とは審査で見ているポイントが異なるため、利用できる可能性があるからです。
ただし、中小消費者金融は1度の契約で1回の融資しか受けられないケースが多いので、大手消費者金融と比べると利便性に欠けるため注意してください。
セントラル
セントラルは、独自の審査で融資を受けやすいだけでなく、中小消費者金融の中では、利便性が高いといえます。なぜなら、大手消費者金融と同じようにカードを使った借入ができるからです。
セントラルの特徴
- WEB申込可能
- 無利息期間サービスがある
- 平日14時までに申込すれば即日融資可能
- セブン銀行ATMの利用が可能
- 自動契約が設置されている
ただし、土日や祝日の即日融資は受けられません。さらに、平日であっても14時までに申込を済ませないと即日融資を受けられないため、急ぎでお金が必要な場合は注意しましょう。
フクホー
フクホーは、「レディースキャッシング」という女性向けのサービスも展開しています。レディースキャッシングを利用する場合、フクホー側も女性が担当者になるため、安心して利用できるでしょう。
ただし、契約書類を郵送する必要があるため、少々手間がかかってしまいます。
審査が不安だからといって違法行為は厳禁
カードローンの審査にも通らないからといって、違法業者を利用したり、禁止されている方法でお金を工面したりするのは止めましょう。
違法業者は、法律を守らずお金を融資しているため、法外な利息を請求したり、支払いできない際に周囲へ迷惑をかけたりする可能性が高いと考えられます。
また、違法行為をしてお金を手に入れた場合は、利用者自身も何らかの罰則を受ける可能性が高いでしょう。
違法行為一覧
- ヤミ金の利用
- インターネットで個人間融資を受ける
- クレジットカードの現金化
ヤミ金の利用
ヤミ金は、「誰でも借入できる・審査が甘い」などの言葉を使って顧客を集めている業者です。ヤミ金を利用してしまうと、法外な利息を請求されたり、返済できない際に脅迫まがいの取り立てをしてきたりします。
借入しようか考えている業者が、ヤミ金かどうかの判断が付かない場合は、金融庁の公式サイトで、登録されているかを確認しましょう。
もしも、サイト内に名前がない場合は、違法業者である可能性が高いため、利用するのは止めましょう。
インターネットで個人間融資を受ける
SNSやインターネットを通じて知り合った人から融資を受けてしまうと、何らかのトラブルに巻き込まれる可能性が高いため、利用してはいけません。
身元がはっきりしない人から融資を受けてしまうと、法外な利息を請求されたり、返済の際にトラブルに巻き込まれたりする恐れがあります。
クレジットカードの現金化
クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を手に入れる行為は、カード会社との契約違反になります。最悪の場合、クレジットカード会社との契約を強制的に破棄される可能性があるため、絶対に止めましょう。
クレジットカードの現金化とは、カードを利用して購入した商品を、買取業者に売却して現金を手に入れる行為が該当します。インターネットやSNSでは、こういった違法行為へ勧誘している業者が存在するため注意が必要です。
まとめ
大前提として、審査の甘いカードローンや誰でも借入できる金融機関は存在しません。なぜなら、金融機関は法律によって以下のルールを定められているからです。
金融機関が守っているルール
- 審査を必ず実施する
- 審査が甘い・誰でも借入できるという表現をしない
上記のルールにより、カードローンを利用する場合は、必ず審査を受けなければなりません。従って、「審査が甘い」「誰でも借入できる」と宣伝している金融機関があった場合は、違法業者のため利用してはいけません。
審査が不安な方は、成約率を公表している大手消費者金融に申込をしてみてください。成約率を公表している大手消費者金融なら、どれくらいの人が利用できたのかを判断できます。
もしも、カードローンの審査に落ちてしまった場合は、5つの理由を把握して改善しましょう。
審査に落ちる5つの理由
- 理由1.虚偽の内容で申込をしている
- 理由2.職場への在籍確認ができない
- 理由3.他社での借入件数や額が多い
- 理由4.収入が安定していない
- 理由5.信用情報に傷がある
Q.なぜ年収の3分の1までしか借りられないのですか?
ファイナンシャルプランナー|村上敬
貸金業法の総量規制で定められているためです。
貸金業法の総量規制によって、カードローンの融資額は他社も通算して年収の1/3に限定されています。他社の借入が多い方は、融資を受けても返済不能になるリスクを抱えている可能性があります。なお、銀行カードローンは、総量規制の対象外ですが、自主的に融資額に規制を設けているため、年収の3分の1を超えた融資を受けるのは難しいでしょう。