カードローンの利用が信用情報に与える影響は?信用情報の開示請求についても解説
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ファイナンシャルプランナー
大阪府出身 関西学院大学卒 新卒では食品メーカーに入社するも3年で結婚で退職、20代後半で某都市銀行で個人営業を経て外資系生命保険会社で10年勤務。お金の不安をなくし自分らしく生きる女性を増やしたいという想いから、どこの金融機関にも属さない中立な立場で提案したいと考えるようになり2019年末に退職。現在はフリーのFPという立場で老後に3,000万円差が着く資産革命『マネーレボリューション』という講座を働く女性向けに主催。
ファイナンシャルプランナー
2006年~2011年は東証1部上場のクレジットカード会社に在籍。クレジットカードの勧誘、コールセンター業務を担当。2011年に退職後、保証会社に入社。銀行代理業(ローン、預金口座開設受付等)に4年間に渡って従事。
この記事の目次
過去もしくは現在もカードローンを利用している人の中には、住宅ローンや自動車ローンなどの各種ローンを検討する方も少なくありません。
そこで気になるのが、カードローンの利用履歴。
信用情報にどのような影響があるのか、記事内で不安を払拭していきましょう。
カードローンの利用そのものが信用情報に影響を与えることはない
「カードローンの利用履歴があると信用情報に傷がついてしまう」と思っている方もいるのではないでしょうか。
実は、カードローンの利用履歴があっても、計画的に利用できていることさえ確認できれば、信用情報に影響を及ぼすことはありません。
借入したからと言ってローンが組めなくなることはない
カードローンを利用したからといって問題があるわけではありません。
家や車など、高額の買い物をする際に一括で支払いができる人は限られています。多くの人は、ローンを組んで高額の買い物をするものです。
また、カードローンを過去に利用したからと言って、「ローンが組めなくなる」という心配もいりません。
ましてや、利用をしたことで信用情報に傷がつくこともありません。
ただしカードローンの利用状況には注意が必要
カードローンが問題になるのは、利用状況に問題がある場合です。
ここでの「問題」とは、「支払いの滞納」を意味します。支払いを滞納してしまうと、自分の信用情報に影響が及びます。
そのために返済が滞ってしまうと、各種ローンの審査に悪影響を及ぼすのです。
信用情報に傷があると各種ローンの審査に悪影響
長期間にわたって滞納をしてしまうと 金融事故情報として記録され、クレジットカードの審査や新たにローンを組もうとした際に悪影響を及ぼします。
この金融事故の記録はおよそ5~10年間維持されます。つまり、一度金融事故を起こしてしまうと5~10年の間は常に審査で不利な状況に立たされ続けるということにります。
もし心配な方は、過去5年間に金融事故を起こしていないか振り返ってみましょう。
3ヶ月以上の長期滞納がある人は注意
金融事故と見なされる滞納期間は「3ヶ月以上または、61日以上」となっています。この期間で滞納してしまうと、信用情報に影響を及ぼします。
また、長期滞納をしていなくても、「短期間に何度も頻繁に滞納を繰り返している」場合も、信用情報に傷がつく可能性があります。
信用情報に傷が付いてしまうと、他のローンの契約ができなくなったり、クレジットカードの契約ができなくなるなどの弊害が生じるため、注意が必要です。
信用情報でよく耳にする「異動」とは
一般的に約定日から60日支払い遅延の状態になると、自身の信用情報に「異動」という文言が掲載されます。
これは、長期延滞を引き起こしてしまった、もしくは現状引き起こしていることを示す、いわゆるブラックリストのことです。。
審査において、異動情報は信用度合を大きく左右するもので、この記載があればあらゆる審査に通過することはほぼできません。
住宅ローンや車のローンを組む予定がある人は注意
この状態になってしまうと、住宅ローンや車のローンなど各種融資を受けることも不可能になります。このような状態が完済したあとも5年間は続くので、信用情報としては大きなダメージです。長期延滞してしまったがために住宅購入という人生の一大イベントを実現できなくなる というようなことがないようにしたいものです。
過去の債務整理も信用情報に記録されている可能性がある
債務整理をした人も各種ローンの利用は難しいでしょう。
債務整理とは「支払い額を減額または猶予の手続きをして、今よりも余裕のある状況を作り出す」ことです。
もちろん、債務整理履歴は信用情報機関に金融事故の情報として記録されます。
信用情報に記録された事故情報は一定期間維持されるため、事故情報が維持されている間はどんなローンの審査にも通らないことを覚えておきましょう。
金融事故の記録は5年経てば解消される
過去に債務整理を行った場合、たとえ完済していても新規の融資を受けることは極めて難しくなりますが、いつまでも融資を受けられないわけではありません。
金融事故は、原則5年間信用情報機関に記録されます。
そのため5年を過ぎていれば、また新たに融資を受けることができる可能性は高まります。
過去の金融取引の状況は信用情報機関で確認しましょう
カードローンの利用や滞納の記録など、過去の金融取引の状況は信用情報機関で確認できます。
過去5年間に少しでも心配な心当たりがある場合は、自身で信用情報を確認してみましょう。
「CIC」「JICC」「全銀協」の3社
信用情報機関には「CIC」「JICC」「全銀協」の3社があり、それぞれが扱う情報の領域が異なります。
信用情報機関 | 領域 |
---|---|
CIC | クレジットカード系・信販系 |
JICC (日本信用情報機構) |
消費者金融系 |
全銀協 (全国銀行個人信用センター) |
銀行系 |
金融機関によって加盟している信用情報機関が異なります。
1人が複数の金融機関を利用している場合、すべての利用状況が同じ1社の信用情報機関に保存されるわけではありません。
それぞれの金融機関は、加盟している信用情報機関に信用情報を記録します。
また、この3社は信用情報を保存している期間も異なります。
掲載条件 | JICC | CIC | 全銀協 |
---|---|---|---|
61日以上延滞 | 5年 | 1年 | 5年 |
3ヶ月以上延滞 | 5年 | 5年 | 5年 |
強制解約 | 記載なし | 5年 | 5年 |
債務整理 | 5年 | 5年 | 5年 |
自己破産 | 7年 | 5年 | 10年 |
代位弁済 | 記載なし | 5年 | 5年 |
これら3つの信用情報機関は、相互に情報共有を行なっています。
そのため自分の信用情報を調べる場合は、どれか1社というわけではなく、3社すべてに保存されている信用情報を開示する必要があります。
インターネットで情報開示すると便利
全銀協を除き、インターネット上で情報開示をすることができます。
インターネットでの信用情報開示は、インターネットから申請して開示報告書を確認可能です。
全銀協に対して情報開示を行う場合は、郵送のみとなるため注意しましょう。
傷ついた信用情報を回復するには
一度傷ついた信用情報を回復させるためには、早急に滞納・未払い金を完済することがなによりも重要です。
なぜなら登録された信用情報の削除は、完済した日から起算される仕組みとなっているからです。
言い換えると、完済しない限り信用情報は永遠に回復しないということでもあります。まずは自分滞納・未払い金などの状況をしっかりと把握して、1つずつ清算していきましょう。
事故履歴が消えるまでローン利用は不可能
残念ながら、信用情報機関に記録された事故履歴が消えるまでは、住宅ローンや自動車ローンなどのローンを利用する方法はありません。また、新しいクレジットカードを作成することもできないでしょう。
ローンを組みたいという人は、事故履歴が消えるのをまずは待ちましょう。
またその間に、収入を安定させておくことも重要です。もし、信用情報が回復した場合でも、滞納時と同じような収入状況ならまずローン審査に通ることはないでしょう。
ですので、定期収入が見込める仕事に転職するなどして、あらかじめローンを組める準備をしておきましょう。
誤った事故履歴は申請することで削除できる
もし、滞納していないのに信用情報に事故履歴がある場合は、信用情報機関に申請することで削除が可能です。
事故履歴に心当たりがない場合は信用情報機関に問合せてみましょう。
また、弁護士に相談することでも削除手続きをしてくれる場合もあります。
信用情報を過度に恐れる必要はない
信用情報という漢字を見ると、構えてしまう人もいるかもしれませんが、過度に心配する必要はありません。
というのも、信用情報というのは悪い情報だけを記載しているのではなく、お金に関するすべての情報を登録しているのです。
例えば、お金を借りてきちんと返済しているのであれば、それはプラスの情報に変わることもあります。それが信用へと繋がり、 金融サービスの審査で評価されることもあるのです。
世間一般の多くが信用情報に登録されている
信用情報は返済の記録だけではなく、借りているという情報も登録されます。 それはカードローンだけではなく、クレジットカードや、その他のショッピングローンであっても登録されるのです。
近年ではクレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済が流行していますが、クレジットカードを持っている人は必ず信用情報に登録されています。
このように信用情報にお世話になっている人は多くいるので、カードローンの利用をしたからといって特段心配する必要はないのです。
返済に遅れないことが信用情報を悪化させないポイント
何より重要なのは、借りたお金を滞らせず返済するということです。きちんと返済をしているのであれば、信用情報が悪化することはほぼありません。
これはカードローンに限った話ではありません。クレジットカードで決済した分は、毎月支払う必要がありますし、携帯端末代金を分割して支払っている場合も同様のことです。
カードローンは少額ずつ返済する仕組みになっている
カードローンの返済はしやすくなっています。カードローンで借りたお金は、一括ではなく何ヶ月かに分けて少しずつ返済していく仕組みのためです。もちろんお金に余裕があれば追加で返済することも可能です。
例えば、あるカードローンで10万円借りた場合、毎月の支払いは3,000円から4,000円です。そもそもカードローンというのは、一時的に金欠である人が利用するものですから、返済は何ヶ月かの猶予があります。
返済能力にあった計画的な借入をする必要はありますが、それを心がけているならば、毎月の返済金額が少額のため、払えずに信用情報が悪化するのではと、過度に心配する必要はないでしょう。
カードローンの利用は金融事故を防ぐこともできる
滞納することなく、しっかりと返済できればカードローンの利用を心配する必要はありません。むしろ、どうしてもクレジットカードの支払いを行えない場合などには、カードローンを利用することで金融事故を防ぐこともできます。
支払いを滞納しており、信用情報が危ない方は、カードローンで一時的に立て替えて金融事故を防止することも検討してみましょう。
※お申込み時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。
まとめ
カードローンを利用することで信用情報は悪化するのか、と疑問に感じる人もいるかもしれません。 しかし、利用するだけでは、悪化しないと言えるでしょう。
そもそも信用情報というのは、お金に関わるサービスの利用記録を登録するものなので、悪い情報だけが残るわけではありません。それは、カードローンに限った話ではなく、クレジットカードやその他ショッピングローンでも活用されています。
重要なのは、滞納せずにきちんと返済をするということです。信用情報で返済遅延の記録があると、ローン審査の際に「返済能力がない人物なのではないか」と懸念されてしまい、審査に落ちる可能性があります。
ただ、カードローンでは、払えないということがないように、毎月の返済金額は少額に設定されていますので、過度に心配する必要はないでしょう。
クリーンな信用情報を維持
信用情報に傷がつくと新たにクレジットカードを作成できないほか、住宅ローンや車のローンも利用できない可能性があります。そうならいためには返済期限を守り必ず支払うということが大切です。きちんと返済できていれば、大事な審査の際にも落ち着いて審査結果を待つことができます。無理のない借入と確実な返済によりクリーンな信用情報を維持していきましょう。
住宅ローンを利用する際は返済比率に注意するべき
もしこれから住宅ローンを利用する予定があり、現時点でカードローン、クレジットカードキャッシングの利用残高がある場合は、銀行が審査に利用する「返済比率」に注意するべきでしょう。返済比率とは、年間借入返済額÷税込年収で計算しますが、年間返済額には、利用する住宅ローンだけではなく、車のローン、クレジットカードのキャッシング、カードローンも含まれます。ちなみに、返済比率は、概ね30~35%以下が、審査通過の条件となっていることが多いです。申し込みする際は、返済比率に注意して、場合によっては利用しているカードローン、クレジットカードキャッシングなどの一括返済をするべきでしょう。
ファイナンシャルプランナー|大久保育子
返済遅延にはくれぐれも注意
カードローンを延滞し、カードローンを提供している会社からの電話や郵便はがきによる案内を無視し続けていると最終的には裁判所から強制執行され給与や保有財産を差し押さえられるという大きな問題に発展してしまいます。延滞しないために返済計画をしっかり行うことはもちろん、返済が遅れそうな時はまずは借入先に連絡を入れ相談しましょう。